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電気・ガス・水道の開始と停止|連絡のタイミングと立ち会いの有無

公開日:2026年8月15日

引っ越しの手続きの中で、電気・ガス・水道のライフラインは「やることは分かっているのに後回しになりがちな項目」の代表格です。役所の手続きのように期限が明示されているわけではなく、書類を出す必要もない。電話かインターネットで数分で終わる作業なので、つい「そのうちやろう」で先延ばしになります。

ところが、この3つの中でガスだけは立ち会いが必要で、しかも作業日を予約する形になります。引っ越しシーズンに直前で連絡すると希望日が埋まっていて、新居で数日間お湯が出ない、という事態が起こります。私は毎年、入居初日に冷たいシャワーを浴びるはめになった人の話を聞きます。電気と水道は当日でも何とかなることが多いだけに、ガスの予約だけは別枠で覚えておいてほしいところです。

電気・水道は「連絡すれば済む」手続き、ガスは「作業員と予定を合わせる」手続きです。この性質の違いを理解すれば、いつ何を連絡すべきかは自然に決まります。

この記事の内容
  1. 3つのライフラインの手続きは、性質がまったく違う
  2. 連絡はいつすればいいか|時期の目安と繁忙期の注意
  3. 電気の停止と開始|立ち会いが必要になるケース
  4. ガスと水道|開栓の立ち会いと、都市ガス・プロパンの違い
  5. 電気・ガス・水道の手続きまとめ|ガスを軸に段取りを組む

3つのライフラインの手続きは、性質がまったく違う

電気・ガス・水道をひとまとめに「ライフラインの手続き」と呼びますが、実際にやることの重さはそれぞれ違います。まずはこの違いを押さえてください。ここを理解しておくと、どれを優先して連絡すべきかが判断できるようになります。

停止(旧居)開始(新居)立ち会い
電気電話・Webで連絡電話・Webで連絡原則不要
ガス電話・Webで連絡電話・Webで予約開始時は必要
水道電話・Webで連絡電話・Web・申込書原則不要

※ 契約先や建物の状況によって異なります。詳細は各事業者の案内を確認してください。

電気と水道は、基本的に遠隔またはメーター側の操作だけで開始・停止ができる仕組みになっています。近年はスマートメーターへの置き換えが進んでおり、電力会社側で遠隔から通電を切り替えられるケースが増えました。水道も、多くの物件では入居時に元栓(止水栓)を自分で開ければ水が出ます。

一方でガスは、事業者の担当者が現地で開栓し、その場でガス漏れの有無やガス機器の接続状態を確認します。これはガス事業法や液化石油ガス法に基づく保安上の確認で、省略はできません。つまりガスだけは「人と予定を合わせる」手続きであり、他の2つとは根本的に性格が違うのです。

電気・水道は連絡すれば済む手続き、ガスは予約が必要な立ち会い作業です。優先して押さえるべきはガスの開栓日です。

もう一つ、賃貸物件では事業者が最初から指定されている場合があることも知っておいてください。特にプロパンガスは、建物のオーナーが供給業者と契約している形が一般的で、入居者が自由に選べないことがほとんどです。水道も自治体または管轄の企業団が決まっており、選択の余地はありません。自分で選べるのは電気と、都市ガスエリアでのガスの供給事業者、というのが実際のところです。契約前に管理会社や重要事項説明で確認しておくと、入居後に慌てずに済みます。

この違いを踏まえると、連絡の順番も見えてきます。引っ越し日と新居の鍵の受け取り日が決まったら、まずガスの開栓を予約する。そのうえで電気と水道の開始・停止を手配する。この順番なら、いちばん融通の利かないものから埋めていくことになるので、無理が出にくくなります。

連絡はいつすればいいか|時期の目安と繁忙期の注意

連絡のタイミングについて、事業者が案内している一般的な目安は「使用開始・停止日の1週間前まで」です。ただしこれはあくまで最低ラインで、実務的にはもう少し余裕を持ったほうが安全だと感じます。

時期やること
引っ越しの2〜3週間前新居の住所・入居日を確定させ、ガスの開栓日を予約
2週間前電気・水道の停止と開始を同時に申し込む
1週間前検針票やマイページで契約者番号・支払い方法を確認
前日まで開栓の立ち会い時間を再確認。当日の鍵の受け取り時刻と調整
当日(旧居)退去時にブレーカーを落とし、水道の元栓を閉める
当日(新居)ブレーカーを上げて通電確認。ガス開栓に立ち会う

※ 目安です。契約先や地域によって受付の締切は異なります。

問題は繁忙期です。3月下旬から4月上旬は引っ越しが集中し、ガスの開栓予約が2週間先まで埋まることも珍しくありません。特に土日や夕方の時間帯は希望が集中します。この時期に引っ越すなら、物件の契約が済んだ時点で予約してしまうくらいの気持ちでちょうどいいと思います。

3〜4月の引っ越しなら、ガスの開栓予約は入居日が決まった時点で。他の手続きより先に押さえるのが確実です。

連絡のときに必要になる情報は、それほど多くありません。旧居側はお客様番号(契約番号)と停止日、退去後の連絡先。新居側は新住所と使用開始日、支払い方法が基本です。お客様番号は検針票(「電気ご使用量のお知らせ」など)や、事業者のWebマイページで確認できます。分からなければ住所と契約者名で照会してもらえるので、番号が見つからないことを理由に連絡を先延ばしにする必要はありません。

なお、電力とガスをセットで契約している場合や、通信サービスとのセット割を利用している場合は、引っ越し先で同じ組み合わせが維持できるか確認しておいてください。エリアが変わるとセット割の対象外になることがありますし、契約プランによっては解約時に精算金が発生する場合もあります。契約時の書面や約款を確認するのが確実です。

引っ越し費用の目安を先に知っておくと、この記事の内容も判断しやすくなります。

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電気の停止と開始|立ち会いが必要になるケース

電気は3つの中でいちばん手間が少ない手続きです。旧居の停止は、電話かWebで停止日を伝えるだけ。当日は退去時にブレーカーを落として出るだけで、基本的に立ち会いは不要です。

新居の開始も同様に、使用開始日を伝えておけば、入居した日にブレーカーを上げれば電気が使えます。ブレーカーは向かって左のアンペアブレーカー、次に漏電遮断器、最後に個別の配線用遮断器という順で上げるのが基本です。順番を逆にすると漏電遮断器が落ちることがあるので、慌てず左から順に上げてください。

電気は原則立ち会い不要ですが、オートロックでメーターに近づけない物件や、電気の再開に現地作業が必要な物件では立ち会いを求められることがあります。

立ち会いが必要になるのは、主に次のようなケースです。集合住宅でメーターが施錠された共用部にある場合、長期間空室で電気が完全に止められている場合、古い建物で遠隔操作に対応していない場合などです。申し込みのときに新居の住所を伝えれば、立ち会いの要否は事業者側から案内されます。私は「たぶん不要だろう」と決めつけて確認しなかった人が入居初日に真っ暗な部屋で困っていたのを見たことがあるので、ここは一言聞いておくことをおすすめします。

電力自由化以降、電気の契約先は自分で選べるようになりました。引っ越しは契約先を見直す自然なタイミングでもあります。ただし、引っ越し当日までに新しい契約の手続きが間に合わないと通電しないおそれがあるため、切り替えを検討するなら余裕を持って進めてください。まずは確実に電気が使える状態を確保し、プランの見直しは落ち着いてからという順序でも遅くはありません。

アンペア数の見直しも、引っ越しのタイミングでしかやりにくい調整のひとつです。契約アンペアが小さすぎると、電子レンジとドライヤーを同時に使っただけでブレーカーが落ちます。逆に大きすぎると基本料金が無駄になります。新居の広さや家電の構成が変わるなら、入居前に適切なアンペア数を相談しておくと快適さが変わります。ただし建物側の設備で上限が決まっている場合もあるため、希望どおりにできるとは限りません。

料金の精算は、停止日までの日割り計算が一般的です。最終月の請求は、口座振替やクレジットカード払いならそのまま引き落とされ、払込票の場合は転居先へ送られます。だからこそ停止の連絡時に転居先の住所を必ず伝えておくことが大切です。ここを忘れると請求書が旧居に届き、支払いが遅れる原因になります。

ガスと水道|開栓の立ち会いと、都市ガス・プロパンの違い

ガスの開栓には、契約者本人または代理の方の立ち会いが必要です。作業時間はおおむね15〜30分程度が目安で、担当者がガスメーターの開栓、配管からの漏れの確認、ガス機器の点火試験、給湯器の動作確認などを行います。この保安確認があるからこそ立ち会いが必須になっているので、「立ち会わずに開けてほしい」という要望は基本的に通りません。

もう一つ重要なのが、都市ガスとプロパンガス(LPガス)の違いです。この2つは成分も供給圧力も異なるため、ガス機器に互換性がありません。旧居が都市ガスで新居がプロパン(またはその逆)の場合、手持ちのガスコンロはそのままでは使えず、部品交換や買い替えが必要になります。都市ガスの中でもガスの種類(13Aなど)が地域で異なることがあるため、機器を持っていくなら物件情報でガスの種別を確認しておいてください。

ガスコンロを新居へ持っていく前に、都市ガスかプロパンかを必ず確認してください。種類が違うとそのままでは使えません。

水道は、開始も停止も比較的簡単です。停止は水道局(自治体の水道課や企業団)に電話かWebで連絡し、退去日を伝えます。開始は、多くの自治体で入居前にWebや電話で申し込む方式か、部屋に備え付けの「水道使用開始申込書」を投函する方式です。入居したらまずメーターボックス内の止水栓(元栓)を開けてみると、その場で水が出ることが多いはずです。水が出ない場合は、まだ開栓されていないか元栓が閉まっているので、水道局に連絡してください。

旧居のガスの閉栓については、ガスメーターが屋外にあり作業員が単独で作業できる状態なら、立ち会い不要とされることが多いです。ただしメーターが室内やベランダにある場合、オートロックで共用部に入れない場合などは立ち会いを求められます。ここも申し込みの際に確認しておけば当日に慌てません。閉栓の連絡を忘れると基本料金が発生し続けるので、開始の手配とセットで進めてください。

水道料金の精算は、退去日までの日割りや、直前の検針日からの実測に基づく計算になります。地域によっては、退去日に係員が訪問して現地で精算するところもあります。下水道使用料は水道の使用量に応じて一緒に請求されるのが一般的で、手続きも水道とまとめて処理されることがほとんどです。なお水道の窓口は自治体ごとに異なるため、名称や受付方法には地域差があります。

電気・ガス・水道の手続きまとめ|ガスを軸に段取りを組む

ここまで電気・ガス・水道の手続きを見てきました。全体を通していちばん大事なのは、3つを同列に扱わないということです。手間の重さがまったく違うからです。

電気と水道は、連絡さえしておけば当日は自分の操作で使い始められます。ブレーカーを上げる、元栓を開ける。それだけです。極端に言えば、当日に慌てて連絡しても何とかなることさえあります。だからこの2つは、引っ越し2週間前あたりにまとめて済ませてしまえば十分です。

対してガスは、担当者の訪問枠を確保する手続きです。枠が埋まれば後ろに倒れるだけで、こちらの都合では動かせません。ここだけは早く動くことに明確な意味があります。繁忙期であればなおさらです。

迷ったらガスから予約する。電気と水道は後からでも追いつきますが、ガスの訪問枠だけは自分では作れません。

そして忘れやすいのが、旧居側の停止連絡です。停止を伝えていないと、退去後も基本料金が発生し続けることがあります。転居先の住所を伝えておけば最終請求も届きます。開始の手配に気を取られて停止を後回しにする人を多く見ますが、この2つは同じタイミングで、できれば同じ電話で済ませてしまうのが確実です。

最後に、引っ越し当日の順序を確認しておきます。旧居では荷物を積み終えたあとにブレーカーを落とし、水道の元栓を閉めて退去する。新居では鍵を受け取ったら止水栓を開け、ブレーカーを上げ、予約した時間にガスの立ち会いをする。この流れが頭に入っていれば、当日に迷うことはほとんどないはずです。

よくある質問

電気・ガス・水道の連絡はいつまでにすればいいですか?

一般的な目安は使用開始・停止日の1週間前までですが、2週間前を目標にすると安心です。特にガスは開栓の立ち会い予約が必要で、3〜4月の繁忙期は希望日が埋まりやすいため、入居日が決まった時点で押さえておくことをおすすめします。

立ち会いが必要なのはどれですか?

新居でのガスの開栓は原則として契約者または代理の方の立ち会いが必要です。保安上の確認を行うためで、省略はできません。電気と水道は原則不要ですが、メーターが施錠された共用部にある場合など、現地作業が必要な物件では立ち会いを求められることがあります。

旧居の停止連絡を忘れるとどうなりますか?

退去後も契約が続いた扱いになり、基本料金などが発生し続けることがあります。気づいた時点ですぐ連絡してください。あわせて転居先の住所を伝えておくと、最終月の請求書が新居に届きます。

いま使っているガスコンロは新居でも使えますか?

ガスの種類が同じであれば使えることが多いですが、都市ガスとプロパンガス(LPガス)では互換性がなく、そのままでは使用できません。都市ガスの中でも地域によって種別が異なる場合があるため、物件情報でガスの種類を確認してから判断してください。

ライフラインの手続きは、内容そのものは難しくありません。電話やWebで数分の作業です。それでも毎年トラブルが起きるのは、手続きの重さの違いが意識されないまま、まとめて後回しにされるからだと感じます。

電気と水道は自分の操作で使い始められる手続き、ガスは他人と予定を合わせる手続き。この一点さえ押さえておけば、優先順位は自然に決まります。ガスを先に、他を後に。それだけのことです。

引っ越し日と鍵の受け取り日が決まったら、まずガス事業者に連絡してください。そこから逆算すれば、電気も水道も無理なく間に合います。入居初日にお湯の出る部屋で過ごせるかどうかは、この一本の電話で決まります。

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